10月に入りましたが、スペインでは夏のような天候が続いています。アンダルシアでは日中の気温が35度を超えたそうです。また、マドリードでも30度近くまで気温が上がり、通りではまだまだ夏の装いの人が多いです。
前回の投稿で「カタルーニャ独立の動き再び」について書きましたが、その続報です。前回の投稿後すぐ、スペイン政府は10月1日のカタルーニャ州の住民投票は憲法違反であり、中止しなくてはならないとの発表をしました。それにもかかわらず、カタルーニャ州政府は住民投票を予定通り実施するためにあらゆる手段をとり続け当日に至りました。中には学校などの投票所が強制的に閉鎖される前に、土曜日から泊まり込んでいた人々もいたようです。
そして、当日は、ニュースをご覧になった方もいると思いますが、独立派の人々とスペイン全国から派遣された警察官との衝突に発展し、けが人が多数出たということです。
阻止を受けながらも投票は続けられ、約200万人が投票し約90%が独立に賛成票を投じたということですが、複数の投票所で投票した人がいたなど、投票する人の管理がきちんとできていなかったところも多数あったようで、この投票が有効であったと言い切ることはできない状態だったようです。
その日は、16:15からサッカーのバルセロナ対ラス・パルマスの試合が予定されていたのですが、中止となるかもしれないという情報も流れていて、どうなるかと心配していたら、なんと試合開始の約45分前に、観客を入れないで試合を行うことが決定されました。観客ゼロの異様な試合をテレビ観戦されたファンの方も多いのではないでしょうか?中央政府が国家警察を投入して住民投票という表現の自由を踏みにじったことに抗議するため、バルサ側は試合延期をリーガ管理機関に申し入れたということですが認められないばかりか、ランキングの点から6点ペナルティを課すという決定がなされたため、観客ゼロでの試合をすることに妥協したのだそうです。
試合後のインタビューでその決定に涙を流しながら不満を表明したピケ選手。彼は、カタラン(カタルーニャ出身)で独立賛成とは明言はしていないものの、常々自由にTwitterを利用して過激な意見も流しているため、独立や住民投票に反対するカタルーニャ州以外の人々の標的となっています。今週末はワールドカップの予選の代表の試合があるため、月曜日にその練習が開始されたのですが、練習を見学しに来た人たちに大ブーイングを浴びせられたそうです。スペイン代表として頑張っている選手に、スペイン人がブーイングするとは何とも信じられない光景がテレビニュースで流れました。
10月4日にはフェリーペ国王が、カタルーニャ州政府に対して違憲行為をやめるように、またスペイン国民に対して冷静になるよう呼びかけるという、異例な事態も発生しました。しかし、これで事態は収まるかというと、残念ながらそうは思えません。これからもしばらくはこの独立問題に関するニュースが続くことでしょう。
この時期にバルセロナ観光をするご予定のある方は、くれぐれも人が大勢集まっている場所にはなるべく近づかないように気をつけてください。そして、この騒動が一日も早く収まることを祈っています。
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