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2014年04月 アーカイブ

2014年04月03日

アドルフォ・スアレス元首相死去

「スペイン民主化の父」と国民から尊敬を受けていた、アドルフォ・スアレス元首相が3月23日に肺炎のため死去しました。81歳でした。亡くなる前の約10年間は、アルツハイマー病と闘っていたということです。


   他サイトよりの拝借です。

「民主化の父」というともう100年くらい前の人ではないのかと思われる方が多いと思いますが、皆さん、高校生のとき、世界史で勉強されたのを覚えていらっしゃるでしょうか?スペインは1975年、つまりたった約40年前まで、フランコによる独裁政治が行われていたのです。フランコが死去し、独裁体制が終了して初めて民主主義による政治が始められたのですが、その時の首相がアドルフォ・スアレス氏だったのです。

3月24-25日に、代議院(Congreso de los Diptados)に遺体が安置され、約3万人もの国民が弔問したといいます。その後、出身地のアビラに移され、アビラ大聖堂に埋葬されました。

今回のスアレス元首相の死去に伴い、在りし日を懐かしむ古い映像がたくさんテレビで放送されましたが、中でも1981年2月に発生したクーデターのときの映像がとても印象的でした。このクーデターは結局未遂に終わったのですが、テレビ中継中の国会で発生したのではっきり映像が残っているのです。国会の議事堂で銃が何発も発砲され、ほとんど全ての議員が伏せている中、スアレス元首相は毅然と議席に座っていたのです。そういうこともあり、とても尊敬される政治家の一人としてスペインでは慕われていたのでしょう。

元首相の埋葬の日、彼の功績を讃えるため、マドリッド-バラハス空港の名前を「アドルフォ・スアレス空港」と変更することが決定されました。これは、ニューヨークの「ジョン・F・ケネディ空港」パリの「シャルル・ド・ゴール空港」と同じです。

今後、マドリッドの空港を利用される時、また、アビラの大聖堂に行かれたときは、是非、今日の投稿を思い出してください。

2014年04月17日

国立考古学博物館に行ってきました!

2014年4月1日にマドリードのセラーノ通りにある、国立考古学博物館がリニューアルオープンしました。この考古学博物館は1867年に建てられた建築物で、1871年から博物館として開館しています。博物館としての約150年の歴史の中で、何度も内部のリニューアルが実施されてきましたが、最後のリニューアルが2008年から5年もの月日をかけて行われました。そのおかげで、博物館内の展示スペースが約13%拡大され、身体の不自由な方も問題なく見学できるようになったということです。リニューアルオープンを記念して、4月20日まで一般市民に無料公開されており、最初の日曜日にさっそく見学に訪れてきました。長い期間の閉鎖後だったこともあってか、朝から入り口には長い列ができていました。

150年前の建物の外壁はそのまま残されており重厚ですが、入り口部分はニューアルされたばかりでモダンになっており、そのコントラストが印象的です。

入り口から中に入ると、下から上の階に先史時代から近代までの展示品が見学できるようになっており、スペインの歴史をその展示物を見ながらたどることができるような配置になっております。そして、最上階には、エジプトやギリシア文明の遺品コーナーも設けられておりました。

この博物館の中で最も貴重な遺産とされているのが、古代のコーナーに展示されている、「エルチェ婦人像」です。これは、紀元前5世紀から6世紀のものとされており、バレンシアの約150km南にあるエルチェという街で発見されたのでこの名前がつけられています。

発見されたのは1897年で、14才の少年が農作業をしていた時に偶然発見したそうです。そして、この婦人像にはまだ解明されていないことがたくさん残されており、この婦人が、女神か宗教的な仕事をしていた人かはたまた富豪の夫人だったのかということや、またこの婦人像の後ろに直径約18㎝、深さ16cmの穴が彫られているのですが、これが何のためにあるのかということです。

この古代コーナーには、紀元前4世紀の「バサ婦人像」も展示されております。エルチェ婦人像もこのバサ婦人像も美しい顔立ちが印象的でした。

マドリッドで芸術鑑賞となると、やはりプラドやレイナ・ソフィア芸術センターが人気がありますが、スペインの歴史に興味のある方には、この考古学博物館がなかなかの見ごたえがあるのではないかと思います。この博物館については、またご紹介したいと考えています。

2014年04月30日

セマナ・サンタのプロセシオン

今日は4月最後の日。5月1日はスペインでは「労働者の日」として全国的に祝日となっており、また2日は「マドリッド県の日」でマドリッド県内は祝日で、その後の土日とつながり、また4連休となりました。またというのは、4月18日から21日までもセマナ・サンタで4連休だったからです。

そのセマナ・サンタの休日を利用して、久しぶりにスペイン南西部のエストレマドゥーラ州のカセレスとトゥルヒージョに旅行に行ってきました。たった一泊だけだったのですが、そこでセマナ・サンタのプロセシオンを見ることができ、とても充実した旅行となりました。恥ずかしながら、スペインに住み始めてからまだ一度もまともにプロセシオンを間近でゆっくり見たことがなかったのです。プロセシオンについてはかなり古くなりますが、過去の投稿で説明しておりますので、こちらをどうぞ。http://www.spain-column.com/2006/08/_vol10.html

最初の訪問地は、カセレス。マドリッド郊外の我が家からカセレスまでは、車で約3時間弱。その日は、セマナ・サンタの4連休の2日目の聖金曜日だったので、ほとんど渋滞もなく、快適なドライブとなりました。

カセレスに到着したのが14:00ごろ。ちょうどそのときに、カセレス観光の出発点となっているマヨール広場からプロセシオンが始まりました。

      ≪≪≪写真はクリックすると大きく表示されます。≫≫≫

  まず大きい十字架、その後に鼓笛隊が音楽を演奏しながら行進します。
     小さい子ども達、大人の信者達が続きます。この日は暑くて大変そうでした。
    はだしで十字架を背負い歩く人も。女性のこの服装はマンティージャと呼ばれるもの。


    キリスト像を担ぐ人々

そして旧市街内を散策、見学していると、また別のプロセシオンに遭遇しました。多くの観光客や地元の人たちも足をとめて見守っていました。

    旧市街のある教会の前でマリア様の像とキリスト教が向かい合っていました。

その日の宿泊はトゥルヒージョのパラドール。夜にもプロセシオンがあるとの情報をパラドールのスタッフに聞いたので、行程をちゃんと確認していざ出発。やはり、夜は夜で雰囲気があります。

   夜のプロセシオンはやはり綺麗です。でも、安いデジカメでは写真はうまく撮れませんね。

過去の投稿でも書きましたが、このプロセシオンはほぼスペイン全土の主要都市で行われます。スペインがはじめての方も2度目3度目の方も是非この行列を間近でご覧いただきたいと思います。来年2015年は3月29日から4月5日までがセマナ・サンタです。今回私たちが訪れたカセレス、ハエン、クエンカ、グラナダ、レオン、マラガ、サラマンカ、セビリア、バリャドリッド、サモラなどがお勧めです。各都市のHPなどでプロセシオンの日程や行程など見ることもできますし、その都市に行ってから、ホテルやインフォメーションで地図をもらって書き加えてもらうのもいいですね。

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