暦の上ではもう春なのでしょうが、日本の今年の冬は大変厳しいそうで、寒中お見舞い申し上げます。特に甲信越や関東地方から北の皆さんは大変な雪に見舞われたそうですね。こちらスペインでは、マドリッドではまだ春の兆しはまだわずかなのですが、地中海沿岸地方では最高気温が20度近くになっているところもあるようです。うらやましい!
子供同士が仲良かったということで知り合い、今も親しくしてくれている近所のYさんが、村上春樹作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」のスペイン語版を読んだと教えてくれました。去年の4月に日本で発売されたものがもうスペイン語に翻訳され出版されていることに驚きました。日本だけではなく、海外でも評価が高い村上春樹の作品はここスペインでも良く売れるのでしょう。ネットで調べてみたら、去年の10月に発売されておりました。
彼女は、大変な読書家でいろんな国の本を読んでおり、日本文学は村上春樹だけではなく、夏目漱石やなんと「源氏物語」まで読んだといいます。彼女と話すために、源氏物語についてネットで調べなくてはならなかったのは、ちょっと情けなかったです。
Yさんはこの村上春樹の新作についていい評価を持っていましたが、他のスペイン人はどう評価しているのか気になり、電子掲示板のようなものを見てみましたが、まだあまり一般の人からの書評は上がっていないようです。
「村上作品を読んでみたいけど、どの本がお勧めですか?」というのがあって、それに対するレスに「ノルウェイの森」を勧めていた人がいました。それに加え目に留まったのは、村上春樹の作品はヨーロッパ文学とは違い少し理解するのが難しいとの意見が多々あったことです。確かに、「ノルウェイの森」でも登場人物が自殺してしまう場面が何箇所かありましたよね。キリスト教では自殺することは罪だと考えられているので、その辺が理解に苦しむことなのでしょう。
実は、私はその「ノルウェイの森」を私はスペイン語で読みました。スペイン語のタイトルは、「Tokio Blues」です。英語版では、ビートルズの曲のタイトルと同じ「Norwegian Wood」になっていますが、スペイン語版では「Tokio Blues」にしたそうです。全く違うので他の本かと思ってしまいますよね。
スペイン旅行にいらっしゃったときにスペイン語の本を買って日本に帰ってから少しずつ読むというのも素敵な時間の過ごし方ではないでしょうか?日本語で読んだことがある本だったら、少しは読みやすいかもしれませんね。