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2013年08月 アーカイブ

2013年08月29日

ジブラルタル

今年も約1ヶ月間の一時帰国を終え、マドリードに戻りました。日本で暑さが和らいだのと同時にマドリードも気温が下がり、とても過ごしやすい気候になっています。

そんな中、8月最後の水曜日の今日、世界的に有名なビッグ・イベント「トマティーナ」のお祭りが行われました。財政危機に直面しているスペインですが、もちろん各地方都市も同様で祭りを続けられるか危ぶまれたそうですが、今年から参加者に10€のチケットを販売することにした結果、約15,000枚販売でき、今年もお祭りを存続することができたそうです。さっそくお昼のニュースでその様子が映し出されていましたが、日本人らしき若者も楽しそうに参加していました。私が夏に一時帰国したときは、必ず実家の近所の美容院に行くのですが、そこのお客さんでトマティーナにどうしても参加したくて、この時期に新婚旅行に出かけられるよう結婚式の予定を立てた方がいらっしゃったそうで、その話を聞いたとき日本でも本当に有名になったんだなぁと感じました。もしまだ知らない方がいらっしゃったら、2008年に少しこのお祭りのことを書いた記事がありましたので、ご覧下さい。http://www.spain-column.com/2008/09/post_51.html

一時帰国の間に発生したスペインのニュースを皆さんにお知らせしたいと思います。それは、イベリア半島の最南端近くにある、ジブラルタルでの紛争についてです。このジブラルタルは、地図でご覧いただけばお分かりになるように、約6.5平方キロメートルの小さなイギリス領です。かつてスペインの領地だったこともあるのですが、1700年から1714年まで続いたスペイン継承戦争の末に締結された条約によってイギリス領とされ、その後も軍事上で重要な地とされており、イギリスが領有し続けています。スペインとしてはもちろん返還を要求しており、イギリスとの領土問題が約300年前からずーっと続いているのです。

なぜ今大きくニュースとして取り上げられているかというと、今年の7月末、ジブラルタル近海に漁礁用としてコンクリートブロックを沈めたことが発端となり、領海侵犯だとスペイン側が激しく抗議をはじめ、対立が深まっているのだそうです。その対抗措置としてジブラルタルとの国境検問を強化し、それまでならあまり時間がかからなかった出入国に6時間もかかってしまうようになっているようです。

2012年5月にエリザベス二世の在位60周年を祝う行事が華々しく行われましたが、スペインからは国王は参加していません。そのとき国王は例の象狩りのときに起きたアクシデントで骨折してしまったのですが、国王代理として参加するはずだった女王もボイコットしました。それは、その前にイギリス王室の人が公式にジブラルタルを訪問したことに対する抗議の表明だったのです。

今日はあまりいいニュースではありませんでしたが、ヨーロッパ内でも国同士の対立があること、そして領土問題は日本と中国・韓国・ロシアだけでなく、スペインにも存在していることをお知らせいたしました。


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