先週末からスペインでもようやく本格的な春の到来となりました。ところが、今日のマドリッドの最高気温は27度まで上がるらしく、一気に夏になってしまったような感じです。天気予報では今週末にはまた気温が下がると言っていたので、本当に夏になってしまうわけではないようですが。。。
去年の10月から12月に大阪で、そして今年1月半ばから4月7日まで東京で開催されていた「エル・グレコ展」。東京の展示会だけでも29万人弱もの方がご覧になったというので、日本でのエル・グレコ人気はすごいですね。
もう既にご存知の方も多いかと思いますが、「エル・グレコ」というのはスペイン語で「ギリシャ人」という意味で、画家の本名ではありません。本名は、ドメニコス・テオトコプーロスという名前で、ギリシャのクレタ島の出身です。イタリアを経て、約35歳のときにスペインのトレドにやって来て、その後73歳で亡くなるまでトレドで過ごしたそうです。そのために、スペイン人ではないものの、ベラスケスやゴヤとともにスペイン三大画家として名前を連ねているのです。
エル・グレコの傑作は世界のあちこちで所蔵されていますが、やはりスペインにその多くがあります。今回のトレド訪問で鑑賞ができたのは、トレド大聖堂にある「聖衣剥奪」、サント・トメ教会の「オルガス伯の埋葬」、そしてエル・グレコ美術館所蔵の多くの作品です。
また、トレドのサンタ・クルス美術館に最高傑作といわれている「無原罪のお宿り」が所蔵されています。これは、日本の大阪と東京の「エル・グレコ展」に出展されておりました。3月に行ったサン・ロレンソ修道院でもエル・グレコの作品やエル・グレコ美術館の中の数作品が日本に行っておりました。
このところ経済的に落ち込みの激しいスペインでは、こういう美術品を積極的に海外に出すことによって収益をあげていると言う噂があるようですが、まぁ、そのためにおそらく高額に上る賃貸料を出す国があるので、ありがたいことです。
エル・グレコ美術館は、前々回の投稿「トレドへ」でも書きましたが、2006年までエル・グレコの家となっていたものを2011年3月にリニューアルされています。この建造物は実際に当時エル・グレコが住んでいたかは不明ですが、エル・グレコの作品が多く所蔵されているのはもちろんのこと、画家の足跡を詳しく説明していたり、エル・グレコが生きていた当時の暮らしの様子を再現した中庭や部屋もあって、とても興味深いです。
日本での「エル・グレコ展」を見られなかった方も、そして見て感動した方もエル・グレコが描いた場所、トレドで素晴らしい作品の数々を見ていただきたいと思います。
最後に、トレドにいらっしゃったら、おみやげにマサパンをいかがでしょうか?マサパンとは、アーモンドの粉と砂糖が主原料のお菓子です。常温で約1ヶ月は持ちますし、チョコレートのように溶けないし、それでもってクッキーのように硬くないから割れたりもしません。日本人には甘すぎるという意見もあるようですが、今回わたしも買ったこちらのお店(トレド内に何軒かあるようです。)のものはそれほど甘すぎることもなく、おいしかったです。水気がかなり控え目のカスタードっぽいものが入っているのもありました。4個くらい入った小さい袋も売っていたのでまず味見用に買われてはいかがでしょうか。