4月も半ばを過ぎましたが、イベリア半島上を寒冷前線が次々と通過し不安定な天候が続いています。それは別にめずらしいことではなく、このコラムの2003年4月に書いた第一回目の投稿(イベロジャパンのHPの改訂があった2006年8月の日付になっていますが)でも書いているように、6月上旬までは暑くなったり寒くなったりします。
今日は、スペインの最近のニュースについてお届けします。
またスペインの国債の利回りが上昇しており、第二のギリシャになってしまうんじゃないかと心配されている方も多いと思います。確かに、失業率は20パーセントを越えており、昨年末の政権交代以降も減少の傾向は見られないまま、経済は低迷状態が長く続いています。
しかし、3月29日に実施されたゼネストも、大都市の中心部で大規模なデモが行われただけで、私が住んでいる郊外の街などではバスの本数が少ない以外、全く通常通りの一日でした。夫も普通どおり仕事に行きましたし、息子の学校も授業がありました。息子は先生が来ないだろうと予想して、前日から休もうと企んでいましたが、学校に電話したら通常通りだと言ったので、ベッドから引きずり出して連れて行きました(笑)。ということは、不景気ながらも現状に満足している市民も多いということが言えるんだろうと思います。
ただ、国の財政はかなり厳しいようです。2012年度の予算が成立したばかりなのですが、前年度予算より約17%も削減するそうです。教育や病院関係の予算も例外ではなく、これから国民の不満が出てくるかもしれませんね。累積赤字が巨額の日本にしてもスペインにしても、まだまだ財政危機から脱出するには時間がかかりそうです。
もう一つのニュースは、王室の話題。先週末、スペイン国王、フアン・カルロス1世が腰の骨を折り、手術を受けました。高年齢にもかかわらず術後の経過はよく、もうそろそろ退院許可がでるそうです。それだけなら国民全体が国王の身体を心配するだけなのですが、その怪我が、アフリカのボツワナで象狩りに行っていた旅行中に起こったということがわかり、国王に対して批判が高まっているようです。私的な旅行とは言え、象狩りとは、、、
マドリッドの王宮
ここは公式行事に使用されているだけで、実際に王が住んでいるのは、郊外にあるサルス エラ宮殿です。
王室のことと言えば、元ハンドボール選手だった娘婿の不正疑惑事件や最近あったばかりの国王の孫が銃を操作しているときに暴発して足を怪我した事件など、あまり良いニュースがありません。国王の件は、まだ発覚したばかりのニュースで今後どのように発展していくのか、王室側からの説明会見も予定されているようで、注目したいと思っています。明るくてとてもフレンドリーな感じのスペイン国王なので、とても好印象を持っていました。今後はスペイン王室にいいニュースがあるよう、祈りたい気もちです。
最後は、お得意!サッカーの話題です。今週と来週、ヨーロッパチャンピオンズリーグの準決勝が行われます。そして今週の土曜日には、バルセロナでスペインリーグのバルセロナ対レアル・マドリードの試合があります。強豪チームのガチンコ勝負が2週間の間に5試合も!また、チャンピオンズリーグの格下のリーグになりますが、UEFAヨーロッパリーグの準決勝には、4チーム中3チームのスペインのチームが勝ち残っています。ヨーロッパで夜の試合を日本でテレビ観戦するのはちょっと大変ですが、サッカーファンにとっては要注目の2週間です!