5月下旬にドイツで見つかり多くの死者をだした出血性大腸菌。未だその感染源が見つからないと言うことですが、当初ドイツ政府がスペイン産のきゅうりが疑わしいと発表したせいで、アンダルシア地方の野菜の産地は大打撃を受けています。せっかく収穫した野菜全てをゴミとして捨てなくてはいけない状況が続いているそうです。スペイン産のきゅうりは感染源ではなかったとのニュースは比較的早く流れましたし、ここスペインではその大腸菌は問題になっていないにもかかわらず、私もきゅうりを買うことは控えてしまいました。日本の原子力発電所の事故による風評被害のニュースを聞いて、本当にお気の毒だと思っていましたが、自分も同じようなことをしているのに気がつきました。きゅうりは「しろ」だとしても、感染原因が突き止められるまではなんとなく、きゅうりをとる手がとまってしまいます。きゅうりがなくてもなんとか料理は作れますから。一日も早く原因が突き止められることを望んでいます。
さて、前回の投稿で紹介したスペインのピレネー地方。3000メートル級の山々が連なるピレネー山脈はカンタブリア海から地中海までの約450キロも続いています。前回は、その中ほどにあるアラゴン地方について書きましたが、今日はカタルーニャ地方のピレネーをご紹介します。
カタルーニャ地方のリェイダ県の北部、ピレネー山脈にほど近いボイ渓谷に11-12世紀に建築されたロマネスク教会が9つ残っておりますが、この教会群が2000年にユネスコの世界遺産に登録されました。
ゴシック様式が登場する前のロマネスク様式の建造物はとても素朴な造りで、この9つの教会はどれも鐘楼が印象的です。それぞれの教会の写真や説明は、このサイトをご覧下さい。英語のページもあるようです。
http://www.centreromanic.com/galeria-de-imagenes
http://www.centreromanic.com/las-iglesias
約1000年もの前の芸術を現代の私達が鑑賞できるのは、この地が容易に近づくことができない険しい山の中にあったからかもしれませんね。
ピレネー山脈の高い山々と、石と木で造られた家々が建ち並ぶ村を背景にした風景は、写真ではなく、実際にこの目で眺めてみたいものです。大自然を満喫しながら、1000年の歴史をもつ教会の一つ一つを訪ねる。また違ったスペインの楽しみ方はいかがでしょうか?