スペインに住み始めて13年が過ぎようとしています。移住が決定し、30代後半からはじめたスペイン語はまだまだ発展途上(もう発展は無理)ですが、毎日スペインで何が起こっているのか、スペインのテレビニュースは欠かさず見るように努めています。そのニュースの中でスペインのお祭りの様子を伝えてくれていて、毎年とても気になっていたお祭りがあります。それがロシオ巡礼祭です。
今までご紹介してきた、スペイン三大祭りと呼ばれるものに比べると、日本ではあまり知られていないお祭りのひとつでしょう。スペインだけではなく、日本でも、その他の国でも、お祭りと言うものは不思議で驚きがいっぱいのものが多いですが、このロシオ巡礼祭も驚きの連続です。
ロシオというのは、村の名前です。スペインアンダルシア地方のウエルバ県にあり、セビージャの西約60kmの小さな村です。そのロシオ村の礼拝堂をめざし、敬虔な信者達のほとんどは歩いて、女性はフラメンコの衣装を身にまとい、グループで移動するのです。そのグループによって出発地は違います。このコラムを書くにあたって、関係のホームページを見てみましたが、グループの一つ、ロンダからの巡礼行程が書かれていました。ロンダから歩くのかとよく見てみると、ロンダからコリア・デル・リオというロシオまで約50kmの地点までは車などで移動し、そこから徒歩になるようです。この間は、ドニャーナ国立公園内を行くので、もちろん舗装もしていない道を、自然を満喫しながら歩いていけます。移動は数日間かかり、そのため食料やテントなども一緒に運んでいるようです。巡礼なので、黙々と・・・と想像しますが、それがやはりスペイン人。休憩時間には飲めや歌えや踊れやということで、ここでもセビジャーナスで盛り上がるのです。
祭りのクライマックスは、ロシオ村の礼拝堂にある聖母マリアの像の台を礼拝堂から外に運び出す瞬間です。百万人以上の巡礼者が興奮に包まれる瞬間です。
この日はペンテコステと呼ばれ、復活祭の日から50日目がこの日にあたるということなので、このロシオ巡礼祭も毎年日程が変わってくるお祭りです。今年は、前々回の投稿で書いたように、復活祭が遅い年にあたっているので、ロシオ巡礼祭も遅く、今年のペンテコステは6月13日で、巡礼の道のりも暑さで大変なことでしょう。
カトリック信者じゃなくても参加できるようです。ただ、興味だけは無理そうですね。体力と根性が必要です。
*写真はhttp://www.rocio.com/index.phpの中から拝借しました。