フラメンコのことを少し
もう2011年2月が過ぎ去ってしまいました。はやいですね。。。先週は最高気温が20度前後まで上がる、ちょっと早く来てしまった春のような日が何日か続いていましたが、今週はまた北風が冷たい冬にもどっています。それでもその先週の暖かい気候で目覚めたのか、通りの木々の中には、若い芽を出したり花を咲かせたりするものもあり、寒い中にも春が近づいているのを感じる今日この頃です。
去年の12月13日、一人の有名なフラメンコ歌手(カンタオル、オにアクセント)、エンリケ・モレンテが亡くなりました。67歳でした。食道がんの手術のあと脳梗塞を発病し、意識不明におちいり、そのまま亡くなってしまったそうです。がんが発見されたのがいつなのかは不明ですが、亡くなった日を含めコンサートツアーが予定されており、またCDも作成途中だったようです。多くのファンがまた本人もこんなに早くこの世から去るとは思っていなかったのです。
まずは、You Tubeで彼のすばらしい歌声をお聞きください。
http://www.youtube.com/watch?v=Sor2QXkKEu4
魂を揺さぶられるような力強い声ですね。
日本で「フラメンコ」と聞くと、スペイン伝統の踊りのことのみを指すと思われている方が多いと思いますが、アンダルシア地方に住み着いたスペイン語でヒターノ(ジプシー)と呼ばれる人々によって作られた歌、リズム、踊り全てをフラメンコと呼びます。そしてこのフラメンコが、2010年11月にユネスコの無形文化遺産に指定されました。
今日、紹介したエンリケ・モレンテはグラナダのアルバイシンの出身です。イスラム時代の街並みが残るアルバイシン地区は、アルハンブラ宮殿・ヘネラリフェ庭園とともに1984年に世界遺産に登録されました。現在スペインには、無形文化遺産も含め、51の世界遺産がありますが、このグラナダのアルハンブラ宮殿とアルバイシン地区はスペインで一番最初に登録された5箇所のうちの一つです。
私がアルバイシン地区を初めて訪れたのは、1988年の新婚旅行の時でした(なつかしい!)。学生の時に行ったことのある夫に連れられ、アルバイシン地区に足を踏み入れたとたん、白い家々と細い路地、そして所々で感じられるおしっこの臭いなど日本では全くないような街並みに感激と驚きを感じたことを今でもはっきり覚えています。そして、サン・ニコラス広場からのアルハンブラ宮殿の眺めには、この上ない感動を味わいました。
細い路地が入り組んでいるので、治安のことが少し心配ですが、グラナダを訪れたら、是非是非アルバイシン地区にも足を運んでいただきたいと思います。そして、フラメンコについては、歴史やいろいろな種類についてなど、これからも紹介していきたいと考えていますので、どうぞお楽しみに!