スペインは12月6日が憲法記念日、8日が無原罪の御宿りの日で、毎年学校関係は7日も休みにして3連休、今年はちょうど土日と続き、多くの人が5連休となっています。ヨーロッパ全体をすっぽり包んでいた強い寒気もぬけてやれやれですが、かわりに雨雲が次々とスペイン上空を覆い、雨が多いすっきりしない天気が続いています。
旅行好きのスペイン人が連休の始まりをうきうきして迎えた金曜日の12月3日、突然予告もなしに航空管制官がストに突入し、金曜日・土曜日の約2日間、スペインの空港全てで飛行機の離着陸ができなくなるという一大事が起きてしまいました。このため、何十万にも上る人が空港で足止めをくらい、航空会社のみならず多くの観光業に被害が出ました。航空管制官の仕事の肉体的、精神的な負担に対して適切な労働環境を要求するためのストだったのらしいのですが、かねてより、航空管制官の労働条件が他の仕事と比べると優遇されていると報道されていた(一部報道によると、年収約3300万円)ので、このストに国民の怒りは沸騰寸前です。
この航空管制官ストでリーガ・エスパニョーラも影響を受けました。土-日曜日にスペイン各地で行われる試合会場への移動に飛行機が使えなかったからです。スペイン北部のヒホンから南部のマラガまで、バスで約15時間かけて移動をせねばならなかったチームもあったんですよ。
そして、FCバルセロナは・・・パンプローナでオサスナとの試合が予定されていましたが、なんと試合開始予定時刻(午後8時)にチームがサッカー場に到着し、試合が45分遅れで開始となりました。どうしてこうなってしまったのか?飛行機で土曜日の朝移動する予定だったバルセロナの関係者は管制官ストで飛行機が使えないだろうと知り、スペインサッカー協会との間で日曜日に試合を延期する話し合いをしました。ところが、どういうわけか、この話し合いの決定がオサスナ側に伝わっておらず、試合は土曜日にするべきだと主張、試合がなければオサスナが勝ち点3を得るということが発覚。それがもう土曜日の午後3時か4時ごろ。その後急遽バルセロナの選手を集めて、AVE(スペイン新幹線)でサラゴサまで移動、その後バスでパンプローナまで行ったのです。
ウォーミングアップの時間はあったにしろ、精神的にかなり不利だったはずです。にもかかわらず、バルセロナが0-3で快勝。勝てたからよかったものの、もしも負けていたら。その怒りはどこにぶつけたらいいのでしょう?
前代未聞の航空管制官スト。今日のニュースでは任務を放棄し大混乱を招いた責任者に罰が下されるとのこと。もう決して起きないことを祈ります。
今年のヘタッフェ-バルセロナ戦。ヘタッフェはマドリード市南にあるチーム。
ゴール裏の最前列の席だったので、とても近くから写真が撮れました。