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2010年10月 アーカイブ

2010年10月13日

本物が良いのは決まっているけれど・・・

皆さん、「アルタミラの壁画」って聞いたことがありますよね?1万5000年以上も前の洞窟壁画で、1985年世界遺産に登録されたものです。2002年から壁画保存のために完全閉鎖されていましたが、2011年より再公開されることが決定されました。

アルタミラの壁画はスペイン北部、サンタンデールから約30kmのところにある、サンティジャーナ・デル・マルという村の近くにあります。サンティジャーナ・デル・マルは、中世のまま時間がとまっているかのようなそれは美しい村で、かつてサルトルが「スペインで最も美しい」と褒め称えたと言われています。

壁画は、1879年にアマチュア考古学者の娘が発見し、その考古学者が翌年、旧石器時代の壁画として学会に発表したにもかかわらず、あまりにも保存状態が良すぎたために、うそつき呼ばわりされて相手にされなかったそうです。壁画がある洞窟は、発見の10年前まで存在が知られておらず、外気が全く入り込まなかったため良い状態が保たれたと言われています。研究の結果、壁画が確かに旧石器時代のものとされたときには、発見者の考古学者は亡くなって10年も経った後でした。

こうして、アルタミラの壁画の一般公開が始まったのですが、人間の吐く炭酸ガスと汚れた空気の影響で、壁画の傷みが認められ始め、1977年に閉鎖、その後人数を制限しての再公開、また2002年に再閉鎖されていました。一方、洞窟のすぐそばに、2001年7月にアルタミラ洞窟博物館がオープンされ、その中で忠実に再現された壁画のレプリカが展示されています。

博物館のHPは http://museodealtamira.mcu.es/index.html

2008年にユネスコによってアルタミラの壁画にプラスして、回りに点在する壁画、「スペイン北部の旧石器時代壁画洞窟群」が世界遺産として拡張されました。そのことによって、その一つである、プエンテ・ビエスゴが観光化を進め、同じく旧石器時代の壁画の本物を見せていることから、アルタミラ側が危機感を抱いたのではないかとも言われています。本物が見られるようになるのはうれしいことですが、もう何年もウェイティングリストができていると言うことですし、なんと言ってもまた壁画が傷みはしないのかと心配せずにはおられません。

家族旅行でサンティジャーナ・デル・マルに行ったのは、2002年。すぐ一周できる小さな村で、季節の花々がとても似合う美しい村でした。そして、アルタミラ洞窟博物館に行こうとしたのですが、あいにく月曜日で休館でした。当時はまだインターネットも今ほど普及しておらず、開館したばかりの博物館の情報を得ずに旅行の計画をしていました。またあの美しい村と本物は無理としても私達の祖先が書いた素晴らしい壁画のレプリカを是非見たいと思っています。皆さんもいかがでしょうか?

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       他サイトより拝借しました。

2010年10月27日

スペイン・トリビア

マドリッドは内陸の地にあるので、10月が終わろうとしているこの頃、とても朝晩の冷え込みが厳しくなってきています。朝の気温が、もう5度くらいまで下がる日が続いています。日中は、力強い太陽に暖められ、20度くらい、今日はいつもより暖かく、というか暑くなり25度くらいまでになると天気予報で言っていました。夜と日中の差が20度もあるんですよ。

いつも買い物している家の近くのスーパーでは、早くもクリスマスのお菓子が並べられ始めました。本当に月日が経つのが早いものです。ええ?もうクリスマスのお菓子買ったら、くさっちゃうと思われた方、スペインでクリスマスに食べられるお菓子は日持ちする日数が半端じゃないんですよ。2007年に書いた「クリスマスの食卓」というページをご覧下さい。
http://www.spain-column.com/2007/12/post_18.html

今日は、大したことではないけど皆さんにお話したいことを、2点書きたいと思います。題して、「スペイン・トリビア」。

一つ目は、マドリッドの代表的な写真の一つとしてご覧になられた方も多いであろう、プエルタ・デ・ソルにあるTio Pepeの看板に関すること。この看板が、下の建物の改装のために約1年間、取り外されます。Tio Pepeの看板についても、前に書いた文章と写真をご覧下さい。
http://www.spain-column.com/2008/10/post_57.html

かつて豪華なホテルだったその建物は、1864年に創業したとか。ということは、築約150年ですよ。マドリッド市内には古い建物がたくさんあって、内装・外装ともによく手が入れられているので、外装や装飾品の美しさはそのまま、快適に過ごせるようになっています。ですので、中には写真のようなアンティークなエレベータがいまだに使われているところもあるんですよ。約10年前、スペイン語の個人レッスンを受けていましたが、先生のマンションがまさにこんな感じのエレベータでした。素敵なんですが、乗っている時に止まってしまわないかと不安でもありました。

acensor.jpg
  他サイトより拝借しています

もうひとつは、スペインのテレビはもうアナログ放送が終了しているということです。今、日本では来年7月のアナログ放送終了を間近に控えて、さかんにその宣伝をしていますね。スペインでは、ああいうキャンペーンもほとんどなく、今年の3月に終了しました。電気製品など、とても進んでいる日本。でも、テレビ放送の完全デジタル移行は、遅い方なんでしょうか。私が思うに、テレビが見られないという視聴者が一人もいないようにとの配慮が素晴らしいからだと思います。

トリビア的な情報、2点、いかがでしたでしょうか?


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