今日、9月29日に6月から予定されていた、ゼネストが決行されました。このストライキは、既に9月始めに国会にて承認された労働法改正に反対する、主要な労働組合が計画したものです。
ゼネストとなると何もかもストップするようなイメージがありましたが、結局はこのストライキに賛成する人と反対の人、両方存在して、すなわち、ストを決行する人と普通に仕事をする人がいて、まったく何もかも止まってしまうということはありませんでした。工場などの多くは閉鎖されたようですが、商業施設などの多くは通常通り。公共交通機関は、ストライキのときでも、最小運行はしなくてはいけないという決まりがあり、それは守られたようです。それでも、労働組合員の過激な人々が、仕事をしようとしている人を阻止しようと実力行使に出た事件があちこちであった様で、テレビニュースで放映されていました。テレビと言えば、テレビ局のうち、テレマドリードという局は、朝から全く放映はしていませんでした。今、学校からもどった息子の話では、一応学校は休校にはならなかったものの、欠席の生徒が多かったようで、映画を見たり復習したりして、授業は進められなかったということです。そして、長男の行く大学では前日に先生から休校と予告されていて、今日はサッカーをして過ごしていました。
今回のスペインのゼネストは久しぶりだったのですが、一つ一つのセクションの個別のストライキは結構、頻繁にあります。たとえば、記憶に新しいのは6月末のマドリード地下鉄のスト。このとき運行された地下鉄は0で、マドリードは大混乱になりました。そのほか、バスやタクシーのストも結構あります。それぞれ、労働者たちの労働条件を良くするためには必要な手段なんでしょうが、結局、利用者が迷惑をこうむるので、本当に少なくしてもらいたいものです。大変な思いをしたのは、タクシーのスト。普段はほとんどタクシーを利用する必要がありませんが、大きいスーツケースを持って家から空港まで移動するときは、タクシーを使っています。去年の冬、一時帰国した帰り、日本の食べ物をぎりぎりの20kgまでつめてバラハス空港に着いた日、不運にもタクシーストライキに遭遇、地下鉄とバスを乗り継いで家まで帰った記憶は、当分忘れられそうにありません。
日本では、ストライキの計画があっても、直前でストが回避されることが多いですが、ヨーロッパでは違います。これらのストライキの情報は、ここに住んでいる人でも当日になるまで分からなかったりするので、日本から旅行に来られる方で事前に把握することは難しいと思います。これから世界中の景気が回復し、ストが少なくなることを祈ります。