マドリードは、暖かい秋が続いていたのですが、11月末ぐらいからぐっと寒さが厳しくなってきています。日本の12月ほど気ぜわしくないものの、スーパーマーケットなどに行くとクリスマスソングがかかっているので、それを聞くと楽しい気分になるよりも、なんとなく焦る気持ちになってしまうのはわたしだけでしょうか。
さて、前々回からソフィア王妃芸術センターを訪れた日のことを書いておりますが、今日もその続きです。ここの一番人気画家は、世界中の子供でも知っているピカソですが、その次に注目していただきたい画家がサルバドール・ダリです。芸術センターにも2階(日本で言う3階)にいくつか作品が展示されています。
私の夫は某大学のスペイン学科を卒業しましたが、その授業でスペイン美術という授業もあったようで、教科書として使っていた本にダリの絵が載っていて、それを結婚後のある日、目にしました。あの有名な、時計がぐにゃっと曲がっている絵です。だれがこんな絵を描いたのかと、驚くと同時にとても興味を持ちました。他の作品を見ると、ますます不思議なダリの作品に惹きつけられたのを思い出します。口の上のひげをピンと上向きにし、目を大きく見開いた顔写真。それだけでもかなり不思議ですが、いろいろ調べてみると、講演会に潜水服姿で登場したとか、フランスパンを頭にくくりつけて取材陣の前に現れたとか、とても不思議な奇妙な行動をとっていたようです。
そんな不思議なダリの作品を徹底的に見たい方は、是非ダリの生誕の地である、フィゲラスのダリ美術館まで行ってみてください。フィゲラスはバルセロナの北約140kmのところにある街で、電車で2時間弱かかりますが、ダリファンの方なら絶対満足されると思います。美術館の外観からして、驚きです。私が行ったのは、もう7年前になります。膨大なダリの作品が集められた美術館は、そのときまだ小さかった子供も楽しかったようです。なんといっても、入ったらすぐ、車内で雨がふる仕掛けがある大きな車の作品があるなど、普通の美術館では考えられない作品がいっぱいです。
フィゲレスの他にも、ダリの住居であり実際に作品を作成していたポール・リガッの美術館、中世の城をガラ夫人の住まいとして贈ったプボールの美術館があります。ポール・リガッは白い家が建ち並ぶとても美しい地中海の漁村、カダケスの近く、プボールは中世の街並みが残るジローナの近くにありますので、それらの美しい街、村の観光も組み合わせながら旅程を組まれるのがお薦めです。
3つのダリ美術館の公式HPはこちら http://www.salvador-dali.org/museus/es_index.html