マドリードのソフィア王妃芸術センターに見学に行ってきました。マドリードに住み始めて早11年。恥ずかしながら、未だに行ったことがありませんでした。家族や友だちがスペインに遊びに来たとき、プラド美術館には何度か見学に行きましたが、ここには来る機会がなかったのです。東京に住んでいる人で東京タワーに行ったことがない人が多いのと同じで、なかなかよほどの機会がないと近くにある観光地にはいかないものですが、秋も少しずつ深まり「芸術の秋」を楽しみたいなと思い、また2009年5月に芸術センターの拡張工事を終えたばかりということもあるので、一人で足を運ぶことにしました。
このソフィア王妃芸術センターは、18世紀に建築され病院であった建物を利用し、20世紀から現代の美術品を集めて、バルセロナオリンピックが開催された1992年にオープンしました。拡張されたのは、以前からあった建物のアトーチャ駅側にできたとても斬新なデザインの建物で、コレクションや図書館やレストランなどが入っていました。0階から4階(ご存知の方も多いと思いますが、ヨーロッパでは日本の1階が0階になります)に絵画をはじめ、彫刻、写真、映像などなど膨大な数の作品が展示されています。その中で、世界でも有名な20世紀に活躍した、ピカソ・ダリ・ミロの作品は2階に展示されています。時間に限りのある方は、2階の展示室を一周されてはいかがでしょうか。
その中でもこの芸術センターの目玉の作品は、パブロ・ピカソの大作、「ゲルニカ」です。この「ゲルニカ」は、1988年の新婚旅行(私のです)でマドリードに来たときに鑑賞しています。そのときは、ソフィア王妃芸術センターはまだ国立の美術館としてオープンされておらず、「ゲルニカ」はプラド美術館別館に所蔵されていました。ですので、今回は21年ぶりの再会。やはりその作品の大きさに圧倒されました。
「ゲルニカ」と監視員
「ゲルニカ」はスペインバスク地方に実際にある小都市で、1937年にフランコ将軍を支援するナチスにより市民無差別の空爆を受けたことを聞いたピカソがパリ万国博覧会の壁画として描いたものです。(私が撮った写真より、芸術センターのページをご覧ください
http://www.museoreinasofia.es/coleccion/coleccion-1/sala-206.html)この作品は1975年にフランコ将軍が亡くなってしばらく経った1981年までスペインに戻ることはできなかったそうです。私が最初に「ゲルニカ」を見たときは、当時は良くわかっていませんでしたが、ピカソの故郷スペインに里帰りしてまだ間もない頃だったんですね。
ソフィア王妃芸術センターのその他の作品についてはまた次回にお伝えしたいと思います。お楽しみに。