6月23日の夜は、スペインの各地、特に海岸でたき火をしてお祭り騒ぎをする習慣があります。テレビのニュースで毎年各地の様子が放送されます。日本ではあまり知られていないようなので、ご紹介します。
もともとは、夏至を祝うもの、そして夏至から冬至まで日が短くなっていくことから、太陽に力を与えるためにたき火をするという意味があったそうです。ほとんどのお祭りがそうであるように、このような意味はもうおかまいなしで、もうすでに本格的な暑さを迎えているスペインで、日が沈んでからたき火をして、友達や家族や親戚で騒ぐ、お祭り好きなスペイン人にぴったりな催しものです。
このサン・フアンのたき火で、スペインで一番大きいのは、アリカンテというバレンシアより約100km南にある市で行われるもので、バレンシアの火祭りとよく似たお祭りです。通りのあちこちにはりぼての人形を飾り、マスクレタという激しい音を楽しむ爆竹と花火、民族衣装を着ての行列、そして24日の夜にはりぼて人形を燃やすなど。興味のある方はこの祭りの公式HPがあるようなので、こちらをどうぞ。http://www.hogueras.org/
サン・フアンのたき火は地方によっていろいろやり方も違うようです。スペイン北西部のガリシア地方では、たき火の上を9回飛ぶと幸運が訪れると言われるそうです。厄払いみたいなものなのでしょうね。また、この日にたき火で焼いたジャガイモやいわしを食べるそうです。
面白いのは、バスク地方のたき火。ここでもたき火の上を飛んだりするそうですが、若者たちが学校でもらったプリント類を持ってきて火に投げ込むのですって。「学校、勉強よ、さらば!さあ夏休みだあ!」と、一学年を終え、晴れ晴れとした気持ちなんでしょうね。「夏休みにこそしっかり勉強してライバルを追い抜こう」と鉢巻を巻いて汗を流す日本の子供たちには想像もできないことでしょう。
この日にあわせて海岸沿いの街に行き、このたき火に飛び入り参加っていうのもとても楽しそうですね。きっと、陽気な人々が大歓迎してくれるはずです。