日本ではゴールデンウィークに入りましたね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?日本のゴールデンウィークよりは短いですが、マドリードも、5月1日はメーデーでお休み、2日はマドリード州の日で休みということで、連休になります。2日が土曜日にあたるので、今年は3連休です。
もう過ぎてしまって3週間ほどたちますが、セマナサンタの休暇は、一般の会社などはほとんど4連休になります。でも、自治州によって休みの日が違うので、この時期にスペインにいらっしゃる方はちょっと注意が必要かもしれませんね。マドリードやアンダルシアなどでは、聖木曜日・金曜日が祝日、バルセロナでは聖金曜日と土日をはさんで復活の月曜日が祝日となります。そして、その聖木曜日や金曜日がいつになるかは、3月の20日ごろから4月の中旬までのあいだで毎年変わります。太陰暦を使っているためにそうなるようです。
バルセロナに何回も行っていることはこの前のコラムに書きましたが、そのたびに必ず訪れるところはどこかというと、サッカーチーム、F.C.Barcelonaのホームスタジアム、カンプ・ノウの敷地内にある、チームのグッズを売っている店、Botigaです。そこに金曜日に行ったところ、周りは観光客がいっぱいなのに、店は閉まっていました。よく考えたら、聖金曜日の祝日。日本のように、祝日こそ、かきいれ時と店を開ける国ではありませんでしたね。そこでしかたなく(といっても、Botigaに行きたかったのは夫と子供)諦め、訪れたのがカンプ・ノウからほど近い、ガウディの作品、グエル別邸です。
グエルがガウディの作品をはじめてみたのは、1878年のパリ万国博覧会で出品された、手袋を扱っていた商人のために作った展示ガラスケースでした。この様子の絵がこちらでご覧いただけます。http://es.wikipedia.org/wiki/Archivo:Vitrina_Comella.jpg この作品に大いに興味をもったグエル氏がバルセロナで最初に注文したのが、当時グエル氏が持っていた夏の別荘として使われていたバルセロナ北部の広大な敷地のグエル別邸内の庭の一部と馬小屋と門番のための家でした。
この建物は、カサ・ビセンテと同様、ガウディの初期の作品の特徴であるイスラム文化の影響を色濃く残しています。今回は外から眺めるだけだったので、よく見られたのは、ドラゴンの門と呼ばれる門と外壁だけでした。門にはこうもりのような翼、うろこのある胴体、大きくあけた口、くねっと上をむいた舌のドラゴン。門にこの奇抜なデザインをもってくるところがいかにもガウディの作品ですね。いろいろ調べてみるとこの別邸のデザインをするにあたって、ギリシア神話のひとつの「ヘスペリデスの園」からアイデアを膨らませたということです。
このグエル別邸の作品に満足したグエル氏は次々とガウディに建築を依頼し、膨大な費用のかかるガウディの才能を支えてきました。ということは、これがガウディの作品群の原点のひとつと言えるのではないでしょうか?中に入ってご覧になりたい方は、金曜日から月曜日の午前中にガイド付き(英語、スペイン語、カタラン語)で見学ができるようになっているようです。電話で確認したら、所要時間は約一時間。5ユーロの入場券でそのほかPalau de Montanerとサン・パウ病院のガイド付き見学にも参加できるということでした。詳しくは、http://www.rutadelmodernisme.com/ を見てください。