12月に入り、早いもので今年もあとわずかとなりました。マドリードの街もクリスマスのイルミネーションが始まり、買い物客があふれる季節となりました。1年前にイルミネーションの話題について書きましたので、よろしかったらまた読んでみてください。
今週もまた、プラド美術館についてのお話を。
プラド美術館のもう一人の代表画家はフランシスコ・デ・ゴヤだと言えるでしょう。有名な着衣のマハ、裸のマハもとても素晴らしいのですが、初めて、ゴヤの黒い絵シリーズを見たときの衝撃を忘れることができません。照明を落とした部屋に置かれた14枚の絵。どうして、こんな絵を描くにいたったのか、ゴヤのことをよく知りたいと思ったのを記憶しています。
興味のある方は、プラド美術館HPオンラインギャラリーから、作品名(Titulo)に着衣のマハはLa maja vestida、裸体のマハはLa maja desnuda、わが子を食らうサトゥルノはSaturno devorande a un hijo を入力してご覧ください。ページの表示に少し時間がかかります。わが子を食らうサトゥルノという作品は、ローマ神話をテーマとしており、プラド美術館にルーベンスの作品もありますので、比べてみられるのもおもしろいと思います。ゴヤの作品の方が、サトゥルノの顔がおどろおどろしくて、すごいです。
http://www.museodelprado.es/pagina-principal/coleccion/galeria-on-line/
黒い絵のシリーズは、ゴヤが1819年にマドリード郊外に購入した別荘、キンタ・デ・ソルド(聾者の家)の壁に描かれた絵を、キャンバスに写したということで、とてもデリケートです。プラド美術館で黒い絵のある部屋が暗くしてあるのは、強い光が絵をいためないためだと聞いたことがあります。
黒い絵シリーズのほかにもゴヤ作品はプラド美術館にとても豊富に展示されています。デッサンなどを含めると170点にも及ぶとか。日本の多くの方々に直接鑑賞していただけたらいいなと思っています。プラド美術館のお話は、まだ続けるつもりです。お楽しみに!