お祭り好きな国民
長かった夏休みもようやく終止符を打とうとしている今日この頃、我が家の息子たちは新学年に向かって勉強意欲で盛り上がっているかというと、答えはNO! 今、一番気になっているのは、住んでいる街のお祭りにいつ出かけるかということなのです。8月の終わり頃から9月の半ばくらいまで、スペイン各地でお祭りが多く行われます。
どこの市でもだいたい同じような祭りが行われますが、ここ、ポスエロ・デ・アラルコン市では、1週間くらいの期間で、朝早く、エンシエロ(牛追い)が行われ、昼から夜には有名な歌手を呼んでのコンサート、闘牛、移動ディスコ、移動遊園地などがあります。
お祭りの一つで有名になったのは、毎年8月の最終水曜日にバレンシアに近い、ブニョルという村で開催される、トマティーナです。今年は、この人口1万人未満の村に全世界から約4万人が集まり、約120トンものトマトを投げあったというので、すごいですよね。スペインのテレビのニュースや情報番組で、アメリカやドイツや日本からの観光客も多いと言っていたので、日本でも有名になっているのでしょうか。
このトマティーナは、そんなに歴史のあるものではなく、始まりは1945年だそうです。お祭りの一行事、巨大人形のかぶりものの行列をやっているときにけんかが始まり、その辺にあった野菜などを投げ始めたのがきっかけとなり、その次の年にも若者が今度は家からトマトだけを持ち出して投げたことから、今のお祭りに発展したそうです。一時は、市がトマト投げを禁止して、逮捕者が出たこともあったとか。全世界から参加者が集まるようになるとは、誰も思わなかったでしょうね。
同じ日に、サラゴサに近い、タラソナという街でもトマト投げをする祭りが行われます。こちらは、シポテガトの祭りです。シポテガトという、ピエロのような派手な衣装を着た若者が、市庁舎から飛び出し、彼をめがけてトマトを投げて盛り上がる祭りです。
その他、ぶどうを投げあったり、狭いおりの中で人が居ながらにして、夜中にロケット花火のようなものを何万発も発火させたりするものなど、変なおまつりがいっぱい。スペイン人は本当にお祭り好きな国民だと思います。