ホームドラマにでてくるような
ため息の出るほど美しい家
センスとたゆまぬ努力(掃除)のおかげ?
皆さん、テレビのアメリカなどのホームドラマで素敵な家が舞台になっているのをご覧になられたことがありませんか。あれは、ドラマのために作られた家なのですが、もちろん貧困層の家庭は例外として、欧米人の家庭の多くが、概ねあのようなものに近い、素敵な美しい家に住んでいるのではないかと思います。スペイン人も例外ではなく、私が今まで訪れたことのある家のほとんどが、ため息がでるような素敵な家(マンション)でした。
スペインの観光地ではない歩道などでは、あまりの汚さに本当に気分が沈みこみます。食べ物の袋・タバコの箱・すいがら・犬の糞等々、どうしてこうも汚いのかと、情けなくなるほどです。スペイン人は別に汚れていてもかまわない人たちなんだと思っていましたら、自分達の家の中だけはすごく美しくしているではないですか。
美しいのは、家具・調度品のセンスが良いことに加え掃除を徹底しているからだと思います。生活していると家が汚れていくのは当然のことですが、汚れたらこまめに掃除していく、そして、子供のころから使ったものはすぐに片付ける習慣がつけられているおかげで、家の中が整頓された状態に保たれるようです。子供がいる家庭では、特に子供部屋などちゃんと片付ける事は無理だと思いがちですが、この写真のように子供自信にちゃんと整理整頓をする習慣をつけさせれば、毎朝この状態で学校に出かけるというのです。もちろん、収納や飾り棚などは親の方でしてあげなければならないですけど。
主婦が一番頭を悩ますのは大掃除ではないでしょうか? けれどスペインでは大掃除など全然必要ないのです。日頃からこまめに掃除しているので、まとめて大掃除する必要が全くないのです。
私の住むマンションの知人の家も例外ではなく、いつも美しくしているので、どうしてかと尋ねると、別にこれが全く普通だという感じでした。ただ、週に3時間ずつ2日、お手伝いさんに来てもらっているということです。お手伝いさんというと、日本ではかなりのお金持ちの家でしか雇わないですが、スペインでは気軽に雇っているようです。ほとんどが南米やモロッコからの出稼ぎのための移民の女性で、安いということもあるのでしょう。家事の他に、子供の世話のために雇っている家庭も多くあります。このお手伝いさんのおかげで、だいたい月1回やるという窓拭き掃除も苦にならないというわけです。
自分の家がきれいになっていると、人に見てもらいたいんでしょうね。驚くのは、居間だけではなく、他の部屋も全部見せてくれるんです。今回このコラムを書くにあたって、それほど親しくはない知人に家の中の写真を撮らせてくれと頼んだんですが、寝室やバス・トイレまで全部撮らせてくれました。全く日本人とは違いますよね。(笑)
旅行者の方はなかなかスペイン人の家庭を訪ねることはないでしょうが、機会があったら、本屋さんなどでインテリアの本を探してみてください。結構豊富にあります。素敵な部屋やキッチン・バストイレがいっぱいです。
森 茂子
1988年に結婚。1991年、1995年に男子を出産。横浜市磯子区でごく普通の母親・主婦として暮らす。97年の暮れに、主人の長年の希望であったスペインでの就職が決まり、家族での移住を決意。ビザの取得など準備をし始め、ご主人は98年5月、他の家族は8月に渡西し、現在に至る。趣味はパドル(テニスの小型版)とサッカー観戦。